Q.現在、伊勢さんが担当されている「調色」という仕事は、具体的にどのような業務内容でしょうか。
私の主な業務は、特色と呼ばれる世の中には無い色を、さまざまなインキを組み合わせて正確に再現する、「調色」という仕事です。この仕事の難しさは多岐にわたります。例えば、一番難しいと感じるのは、少しくすんだような色を、にごらせて作り出すことです。また、他の印刷で使った色がそのまま使えるわけではありません。その都度、一から色を作り上げる必要があります。
さらに、印刷のクオリティは温度や湿度で大きく変わるため、その日の環境に合わせて細かく調整しなければなりません。そして、印刷する材質によっても色の見え方が変わるため、パッケージに入れる実物に近いものを実際に試して色を調整することもあります。
思わず、世の中の印刷物を見るたびに「この色は、どうやって作ってるんだろう?」と考えてしまいますね。